雨の日のみんなのおやま
暑さもやわらいできたので、はなのき会館となりの村有林「みんなのおやま」でのあそびばを開催しました。お天気は雨模様でしたが、村内からの参加者のほか、川辺町からはじめて訪れてくれた親子もいました。
タープの下で工作をしたり、森を散策していろいろなキノコを集めてきたり、せん定後に残されていた葉っぱのついた枝を屋根にしておうちを作ったりと、思い思いに時間を楽しみました。
村の方から栗やリンゴの差し入れをいただきました。たき火でゆで栗や焼きリンゴを作って、秋の味覚を楽しみました。
湿気で薪が湿っており火起こしにも苦労しましたが、少し難しいからこそ夢中になってしまうもの。子どもだけでなく、いっしょに来たお父さんも、消えそうになった火を起こすのに奮闘してくれて、焼きリンゴも無事に焼きあがりました。
雨の日ならではの、しっとりのんびりした豊かな時間。子育てに奮闘する親御さんにとっても、ほっとしたりリフレッシュできる場を提供できたらよいなと思います。
母樹林公園の案内
40人ほどの参加者を2グループに分け、(1) 木の伐採見学・丸太切り体験と、(2) 母樹林散策の2つの体験を入れ替えで行うこととなり、私は森林散策を担当しました。これまでもこのようなイベントはあったものの、サポートで入ることが多く、今回はめずらしく一人で案内することになりました。
スギとヒノキ、ヒノキとサワラの見分け方、木曽五木など、先方から依頼のあった内容について解説用のパネルを用意して実物を触ってもらいながら説明しました。依頼された内容以外にも、手触りが気持ちのよい葉っぱ(ヤブムラサキ)、ピーナッツバターの香りのする葉っぱ(クサギ)、よい香りの葉っぱ(クロモジ)、目を閉じて音を数える(鳥や虫、沢、チェーンソーの音)など、五感に訴えるような内容も追加しました。
参加者のアンケート結果をいただいたのですが、やはり、言葉による知識の解説よりも、五感を使った体験が印象に残るようです。キノコなども人気がありました。
(写真提供:後藤木材)
幼児向けの自然体験に関する研修・視察
これまで、子どもの自然体験といえば小学生を対象に行うことが多かったのですが、今年度からは幼児を対象とした自然体験について積極的に学んでいます。
山県市などでは「保育園留学」といって、都会の親子が一定期間滞在して保育園に通う取組がおこなわれています。自然を生かした保育を行うことで、交流人口や移住定住の促進にもつながる可能性があるのではないかと思っています。
実際に自分たちが自然の中(川と森)で遊んでみたり、制限時間内でその場にあるものだけでどれだけ遊びを作り出せるかというワークをすることで、おもちゃや道具などがない自然の中でも、いろいろな遊びができるということを体感することができました。
特に学びとなったのは、大人はとかく行動に目的を持たせようとしますが、「遊びには目的は必要なく自由である」ということと、「何が楽しいかは人それぞれでよい」ということです。そのような自由な活動かつ自発的な活動のなかで、自然と子どもに必要な感覚や身体の発達が促され、興味・発想・創造力が育つのが遊びなのだと思いました。
自然の中に子どもを連れていくことに対して、現場の保育士さんの声を聞けたことも大変勉強になりました。
(写真提供:モリノス)
また、9月24日には、下呂市のきたこども園において、岐阜森林総合教育センター(モリノス)による出張授業を見学させていただきました。こちらの園では数年前から近所の山での活動を行っており、山に給食を運んで食べる取組もはじめています。
保育士さんとの意見交換では、「山では子どもたちの普段とは違った様子が見られた」と自然の中での自発的な遊びの良さを実感する声や、「ノコギリなどの使用の際にモリノススタッフがあまり口を出さなくても子どもは意外と安全に作業できており、これまで口を出しすぎていたかもしれない」といった感想も聞かれました。
今後の活動の方向性として、園庭にも自然遊びの要素を取り入れることや、保護者の理解を深めるために活動に巻き込むなどのアイデアが出されました。
感覚や身体の発達が著しい幼児期こそ、多様な刺激のある自然空間での遊びは有意義なのではないかと思いました。昔はごくあたりまえのことでも、最近は積極的に機会をつくらなければ子どもが野外で遊びにくい状況になってきており、保育に自然あそびを取り入れる必要性を再確認しました。
森の中で、疲れた心身をいやす
このレポートを作成するため、町をあげて「癒しの森」事業を行っている長野県信濃町に行ってきました。
単に森林を歩くだけでなく、ガイドさんの案内のもと、木の実を味わったり、葉のにおいをかいだり、木の幹の手触りを感じたり、裸足(はだし)で沢や泥の中を歩いたり、水の冷たさを感じたり…と五感に集中することにより思考に偏りがちな脳を休めるとともに、呼吸法やストレッチを取り入れたリラックス法などを行いました。
ガイドさんのお話では、都会の人工的な空間で仕事が忙しく不眠などの悩みを抱えて参加する人が多いそうです。ガイドさん自身も以前はぎゅうぎゅう詰めの満員電車にゆられて東京で会社員として働いていたそうで、私もそのような経験があり、都会で生活する人のニーズにとてもうなずけるものがありました。
体験をすることで、これまで座学で勉強していた内容の実際がとてもよくわかりました。
開けた雄大な景色や高原の雰囲気が長野の魅力です。東白川村のような山が迫った里は、地域の特色が異なるので、お茶や林業といった生活文化と結び付けた体験など、信濃町とは違った角度からの魅力の打ち出し方が必要だとも思いました。
人間と生き物の共生について考える
森林セラピーで訪れた信濃町には、英国ウェールズ出身の作家・故C.W.ニコルさんが40年前から仲間とともに荒れた森を買い取り、森林再生を行っています。この森は「アファンの森」と名付けられ、今は財団が管理しており、養護学校の生徒や災害にあった子どもを森に招待して遊ぶ活動も行っているそうです。
森林セラピー体験のついでに、この森と、活動40周年を記念した展示を見てきました。
アファンの森では、夜はクマが普通に出没していてあちこちの木の幹に爪あとがみられます。しかし、やぶを刈って見通しのよい森づくりをしているため昼間はクマが身を隠す場所がなく、ガイドしてくれた方も昼間には一度もクマに出会ったことがないとのことでした。隣接するやぶのある森では夕方に見かけたことがあるそうです。
ササを刈り稚樹や昆虫が利用しやすい植物を残すなど、選択的な下刈りを行い、定期的なモニタリングでは昆虫の種類の増加がみられたそうです。
やはり、人の手が入る見通しのよい里山は、人と野生生物の境界線として大きな役割を果たしていたのだなということを実感しました。薪や落ち葉堆肥などがあまり使われなくなった現代において、いかに動物との緩衝地帯を作り出すか、なにか良いアイデアはないかと考えるきっかけになりました。
村のこと、話そまい会
村に関心のある人ならだれでも参加でき、村の暮らしについて語り合う「村のこと、話そまい会」。8月は大雨で中止になってしまいましたが、今回は会場を屋内に移して無事開催することができました。
7月の会では、「住民の交流の場となるような体験イベントが必要」という話題がでましたが、今回は「以前放送された村と戦争をテーマにしたラジオ番組の録音をみんなで聞く会を開かないか」「豆餅を作る会をやらないか」といった具体的なイベントの案も出され、実施にむけて動き出すことになりました。
また、「移住してきた人がなじめるようにサポートするにはどうしたらよいか」、「荒れた農地をどうするか」といった話題も出て、移住者ともとから村に住む人、それぞれの体験談を交えながら意見交換が行われました。
「有機の稲の入手先、はざがけをやっている人を知っていたら教えてほしい」といった参加者の疑問にも、いろいろな人から情報提供がありました。また、津軽三味線やグラウンドゴルフ、歌舞伎やバイクイベントなど、村での日々の暮らしについて近況報告もありました。
今回の参加者は14名で、初めて参加してくれた方も3名いらっしゃいました。会が終わってもおしゃべりに花がさき、なごやかな会となりました。こうした会が、人とのつながりや村をもっと好きになるきっかけになればと思います。
8月には中止となってしまいましたが、白川瀬音公園での開催を楽しみにしていたという声も複数寄せられたことから、10月は白川瀬音公園でたき火を囲みながら開催することになりました。
雑草に新たな価値を見出す
クラフト体験のワークショップのレパートリーを広げるために、草をつかったかご編みなどのスキルアップのため制作を行いました。
村の生活には草刈りがつきものですが、せっかく燃料と時間を使って刈るのであれば、ただ刈り捨てるだけでなく、なにか新たな価値を見出せないか? と常々思っています。
雑草や雑木をうまくつかって、しかも一般参加者にも体験しやすいようなプログラムはできないかと試行錯誤しているところです。
このほか、歌舞伎公演での弁当販売のお手伝い、放課後こども教室、聞き書きの話し手候補の方への説明、森林インストラクター研修、小学校のお茶の授業(茶碗づくり)などに参加しました。