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刀祢 いくみさんの部屋 | 11月活動報告

感覚を研ぎ澄ます

先日近隣の町で開催された、林業1 日体験講座に参加してきました。
企画者である女性は、植林された木々の有効活用を使命とするNPO で事務方を務めるとともに、林業女子会の一員でもあり、また一児の母親としても奮闘中というバイタリティー溢れる方でした。
林業女子会とは、男性社会という印象が強い林業界に新風を吹き込もうと努力している女性たちの活動団体で、岐阜の他にも、東京、京都、静岡、長崎などで組織されています。

国土の7 割を占める日本の森林が置かれている現状についての話を聞き、間伐の必要性を改めて実感しました。
戦後盛んに植林され、山々には材木としての適齢期を迎えた木々が生い茂っているにもかかわらず、時代の流れとともに木の需要は減少、それに伴い価格も大きく下落しました。結果、採算が合わないことから、手を入れられず放置された山々が各地に存在することになりました。

実際に人工林へ入り、木々がどのくらい密集しているかを、二人一組でロープを使って測定しました。
樹木は光を浴びることで横に、根から栄養を採り入れることで縦に成長していくといいます。
適切に間伐が行われていない山では、木々に十分な日が当たらず細いまま上へ上へと伸びていくため、ひょろひょろ痩せ細っていくそうです。
また、光が差し込まないために、周囲の下草が育たず表土がむき出しのため、大雨が降ると地表が崩れ落ちるという被害が各地で見られます。

間伐する必要があることを体感したのち、実際に伐る木を選定していきます。
今回は、まず今後より時間をかけて太く長く育てていきたい木を選び、その木が成長していくのを阻む周辺の木々を伐採するという方法が取られました。
チェーンソーで切り口をつくってもらってから、私たち女性も鋸を手に木を挽きます。

伐採した木

その際、指導役のきこりの方から印象に残る話を聞きました。
「木を挽く時、道具を持つ手に伝わってくる感触で、その年どのような気候だったか、例えば大きな台風が来たことなどが分かったといいます。」
長年木と共に生き、経験を重ねていく中で研ぎ澄まされる感覚なのではないかと思います。
林業に限らず様々な分野で、機械に頼らず自らの五感を働かせ、腕を磨いていくという過程が失われてきているのではないでしょうか。
もちろん、機械化により効率化され時間が短縮、労力も軽減することができたのは確かな事実です。
しかし、仕事を通しての醍醐味が薄れたため、林業から手を引いた人もいるという話を聞くと少し寂しく思いました。

時代の流れに逆らうことは難しいけれど、視点を変えて工夫を凝らせば、変化を起こすことは可能なのではないかと思います。
「使い道がないから」とか「作業にお金がかかるから」という一面的な理由で山林を放置しておくのではなく、従来とは違う取り組み方を模索し資源として活用していこうという動きがどんどん活発になっていくことを望みつつ、その一端を担えるように学び続けていきたいと、思いを新たにした一日となりました。

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