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刀祢 いくみさんの部屋 | 12月活動報告

頭と心を柔らかく

11月、12月はいくつかの『地域おこし』『地域再生』をテーマに掲げた研修に参加する機会がありました。
ひとつは、県単位、もうひとつは全国単位で、ともに『元気がなくなってきた村、町に活気を取り戻し新しい地域のあり方を考えよう』という共通の思いを抱いた様々な立場の人たちが集いました。

私たち『地域おこし協力隊』の多くは、都市部から全国各地の地域へ飛び込み、暮らしていくわけですが、たびたび『よそ者』と形容されたり、また自らそのように名乗ったりすることがあります。
ある研修の中でお話しくださった方は、このような制度ができるずっと前、30年前に地方で暮らすことに魅力と使命を感じ移住されましたが、いまだに『地元民ではない自分』を意識されるといいます。なぜなら、三世代暮らしてやっと『地の人』と認められる暗黙の風土があるとのこと。三世代百年と考えると、それ以上の長い年月をかけて個々の地域・集落で暮らしが営まれ、歴史・文化・習慣が重ねられてきたことになります。
時代の変化とともに、地方から都市部へと人が流れ、結果全国至るところで存続が難しくなっている地域が目立つようになりました。そのような状況を打開する策のひとつとして、『地域おこし協力隊』の制度が生まれたといえます。
地方に移り住み、働くことを志す人たちにとっては、都心での画一的な暮らしよりそれぞれ土地固有の風土を感じて生活することの方が魅力あるものなのだと思います。
一方、地方に来ると地域の人たちが口を揃えて、「私らの息子・娘はここじゃ仕事がないから、都会へ出ていかざるを得ない」と言います。
もちろん、職場がないため外に出る若い世代もいるでしょうが、選択肢に溢れた都会での暮らしに惹かれるということも事実ではないでしょうか。
前記の大先輩によると、若者にこのような心理を抱かせるのは、親・祖父母世代の日頃の言動も大きく関わっていると言います。
「こんな所におったらあかん」から「ここにおったらええぞー」と、意識的に言葉で伝え、態度で示すことが必要だと強調されていました。

そこでふと、東白川村で知り合った方との会話を思い出しました。
代々林業を家業としているお宅で、中学生の息子さんがいらっしゃるといいます。
山で働き守っていくことは、今の時代決して楽ではないけれど、敢えて困難な部分には触れず、折りに触れ魅力・意義について伝えているそうなのです。
親心としては、苦労はして欲しくないというのが本音でしょうが、子供が夢や志を持って仕事をしていく強い心を鍛えるための、素晴らしい姿勢だと思います。
一方で、県の研修時にお話を聞いた方の言葉が頭に浮かびました。
「子供、孫世代は高校、大学で教育を受けるために外へ出ていく。そこで得た学びを、いざ地元に戻ってきて活かすことのできる場がない。」
代々続いてきた家業を継承していくことは理想的ではあるけれど、現代社会においては様々な要因から難しくなっているのは事実です。
そうであるなら、高等教育の学びの成果=都会での会社勤めだけではない、生まれ育った地元の活性化に繋げていくことのできる新たな仕事・働き方を地方につくり出すという視点が、必要になってくるのではないかと思います。
その土壌づくりのひとつとして、地元の人が見えにくくなっている資源や魅力を掘り起こすべく、私たちのような『よそ者』が入っていく意義があるのではないかと考えています。
それは、これまでの固定概念や価値観を、少しずつ転換していくためのきっかけとも言えるのではないでしょうか。
頭と心を柔らかく、そして小さな工夫を積み重ねていくことで、課題山積と思われる地方市町村の難しい状況も変えていけるのではないか…という思いが生まれた有意義な研修となりました。

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