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刀祢 いくみさんの部屋 | 5月活動報告

今月の一枚:春のあたたかな日差しを浴びたマーガレット(和名:木春菊)

春のあたたかな日差しを浴びたマーガレット(和名:木春菊)

野菜作りを始めました。

まだまだ朝晩はひんやりとした日々が続いてはいますが、あちらこちらで春の息吹が感じられる東白川村です。
道端には、眩しいくらいに純白のマーガレットが咲き誇っています。
気づけば、枝ばかりで寒々しかった朴の木には、私の掌2個分ほどあろうかというくらい大きく、鮮やかな黄緑色の葉が茂り、白い立派な花が空に向かって咲いています。
この5月に、昨年ついに挑戦できずじまいだった野菜作りを始めました。
私は、これまで発泡スチロールの箱でラディッシュを作ったくらいの農業初心者のため、分からないことばかりです。
そこで指南してくれるのは、村の麗しき20代女性です。
彼女自身も、数年前から野菜作りを始めたそうですが、親御さんに聞いたり、そして様々な本を読み込んだりしているので、私にとってはとても頼もしい存在です。
ゴールデンウィークが過ぎると、日が長くなり就業時間後でもしばらく明るいので、畑仕事ができます。
仕事が終わった後に、土いじりの時間が持てることは贅沢だと思います。
先日は、マルチという土壌の保湿・保水・雑草防止・土はね防止を兼ねたシートを張りました。
土の上にかぶせ、しばしの時間を経てから土に面している部分を触ると、ほのかに水分が感じられました。
土がたくさん水を含んでいるのだということを、肌で実感しました。
今年は1年目なので、苗は全て村の苗作り名人の方から購入しました。
苗を選んでいる時、トマトやらナスやらが実っている様子を目に浮かべ、わくわくしました。
並んでいる苗全てを育ててみたいという衝動に駆られながらも、なんとか畑の面積に見合う量に留めました。
私の畑の師曰く、トマトは水に弱いので、傘を立てて雨から守る必要があるそうです。
また、スーパーで売られている姿は華奢なモロヘイヤも、人の腰高ほどまで成長すると聞き、知らないことだらけのため、ひとつひとつに感心してしまいます。
畑とは別に、自宅のベランダにも鉢をいくつか用意し、ハーブ類とミニトマトを植えました。
これから暑くなっていく季節、土の様子を注意深く観察し、水をやったり、日陰に移したり、心を配らなくてはと気を引き締めている今日この頃です。
にわかに野菜作りを始めてはしゃいでいる私に、上司がさらりと言いました。
「あなたの野菜作りは、あくまでも家庭菜園であって農業とは違うよ。」ちょうど、村の農業の今後について話をしていたところでした。
村では農地や山を抱え、農家としてではなく他の職業と掛け持ちしながら畑、田んぼを守って行くため野菜作り、米作りをしている家庭が多くあるといいます。
必ずしも採算が取れるわけではなく、時には経費の方が上回ることも稀ではないそうです。
大雨が降れば、また、台風が来れば、夜中であっても対処するため出て行かなければならないこともあり、そのような時の人件費まで含めるのであれば、割に合わないのだといいます。
「自分が食べるために作るのは“楽しみ”かもしれないけど、生きるために作るのは“悩み”や“困難”が伴うものなのだよ」と、上司は付け加えました。
もちろん、野菜作りを反対しているのではなく、ただ軽はずみに「農業は楽しいですね」などと口にしないようにとの忠告だと思います。
野菜作りを始めたことにより、垣間見た日本の農業が抱える問題を心に留めつつ、そして生産者の人たちの仕事に感謝しつつ、まずは、自分の口に入るものを育てるという“喜び”を感じてみたいと思っています。

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