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刀祢 いくみさんの部屋 | 6月活動報告

今月の一枚:初夏を告げる郷土食~朴葉寿司~

今月の一枚:初夏を告げる郷土食~朴葉寿司~

朴葉寿司をいただきました。

いつもお世話になっている方から、朴葉寿司をいただきました。
艶やかな深緑の葉を開くと、酢飯の上には黄色、ピンク、薄オレンジ、色とりどりの具が散りばめられています。
朴葉寿司は岐阜県をはじめ、長野県、奈良県の各地で古くから作られてきた郷土食です。

ちょうど田植えが始まる頃、朴の木には両掌いっぱい広げたくらい大きく立派な葉が茂ります。
この葉には殺菌・抗菌作用があるそうです。
田植え作業に、畑作業に勤しむ家族の昼食として、酢飯に酢で〆た鯖や鱒、種々佃煮をのせ、さらに朴葉で包んだのがこのお寿司のはじまりと言われています。

基本形は同じでも、酢飯の酸味や甘味の加減、何を具にするか、それぞれの家庭によって様々なのだそうです。
現に、私自身昨年から複数の方にお裾分けしていただいていますが、ひとつとして同じ味のものはありません。

進学・就職で多くの若者たちは村を出て行きますが、この時期になるとおばあちゃん・お母さんがこの朴葉寿司を作って送り届けるのだと聞いたことがあります。
その季節になると、恋しくなるふる里の味、おふくろの味といったところでしょうか。

おふくろの味に関連して、最近ほっと心が温かくなる話を耳にしました。
私は、近隣町村の女性たちで結成されたコーラスグループに所属しています。
メンバーの大半は、育ち盛りの子供を持つお母さんたちです。
ある方が、「うちの子、最近までコンビニのおにぎりがいいって、私が握ったおにぎりを避けていたけど、“やっぱりお母さんのおにぎりがいい”って言ってくれたのよね。」とガッツポーズ付きで報告してくれました。

おにぎりもまた、シンプルゆえにその家それぞれの個性が出るものだと思います。
ご飯の固さだったり、塩加減だったり。
海苔は先に巻くか、食べる時に巻くか。
食べ慣れたものは心地良さをもたらしてくれる一方、時々コンビニなどのものを食べると、味がはっきりしているためインパクトが強いものです。
一時的に母の味に物足りなさを覚えて、コンビニの味に浮気したものの、やはり記憶に染み込んだ味を求める。
これは、自然の摂理とも言えると思います。

息子さんから再び母の味を求められた彼女は、「今度は飽きられないように工夫しなきゃ。」と張り切っていました。
私は心の中で、「変わらない味を作り続けること、大切だと思います。」と呟きました。
それぞれの家庭・地域の味が受け継がれていくことは、尊いと改めて思いました。

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