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刀祢 いくみさんの部屋 | 9月活動報告

今月の一枚:~マジックアワー~ 夕暮れから夕闇へ移り 変わる僅かな時間、一日の中で一番美しい瞬間

~マジックアワー~ 夕暮れから夕闇へ移り 変わる僅かな時間、一日の中で一番美しい瞬間

自分にないものを理解することの難しさと大切さ

昨年のちょうど今頃、村の伝統行事である地歌舞伎公演について報告しました。
今年再び、役者の一人として舞台に立たせてもらいました。
決して人前に出ることが好きではなく、演技に興味があるというわけでもないのですが、去年「良かったよ、ぜひ来年も出てね」という温かな言葉をいただいて気を良くし、再び挑戦することに相成りました。

今年は、去年の姫役とは打って変わって家来の役、しかも男性を演じなければなりません。
交代してくれるとの声があったにもかかわらず、変に意地を張って引き受けてしまいました。
最初の練習から、お師匠さんには「なんだか、声がかわいらしいな」と言われる始末。
先が思いやられましたが、練習を重ねるごとに的確な指示のもと「男性らしさが出てきた」と評され、複雑な気持ちはするものの安堵していました。

迎えた当日、澄み渡る秋晴れのもと万事滞りなく運び、ひと夏仲間と共に取り組んできたことを終えたという、ちょっとした達成感を覚えました。
満足感も束の間、数日後に仲間のひとりからドキッとする言葉を掛けられました。
「終始、棒読みでしたよね。感情がこもっていなかった。」と。
まさに図星で、薄々感じていたもののできなかったのです。
その人もまた、異性を演じるという挑戦をしたひとりでした。
話を聞けば、私と同様異性を意識して声を出そうとすると、らしさ...は表現できても、声が弱々しくなってしまうことに苦心していたそうです。
なんとかせねばならない、と気合いを入れて、仕事の合間にも台詞を声に出して練習し日々コツコツ努力していたそうです。
その成果あって、観客のみなさんは口々にその人を絶賛していました。

この人とのやり取りの中で、ふと「自分にないものを理解することの難しさと大切さ」について考えました。
今回は、性別の違いを乗り越えることでしたが、この感覚は私たちのように他地域から移り住んできた者にも通ずる部分があると思います。
多かれ少なかれ、違った環境の中で生活してきたゆえに、自分のものさしでは測れないことに遭遇する場面がたびたびあります。
そんな時、相手の立場になって想像してみることは難しいけれど、常に心掛けるべき姿勢だと思います。
1 年半という月日を経て慣れてきたからこそ、改めて意識しようと感じる今日この頃です。

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