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野田 恭子さんの部屋 | 2025年6月 活動報告書

並々ならぬ手間暇をかけて作られる最高級のお茶

 6月上旬、品評会に出すお茶の選別作業に参加させてもらいました。お皿の上に茶葉が配られ、ピンセットで色や形の悪い茶葉を取り除いていきます。はじめはきれいな茶葉にしか見えなかったのですが、じっくり見ているとだんだん取り除くべきものが分かってくるから不思議です。

 緊張していたのもありますが、かなり首や肩の凝る、大変な作業でした。茶業に携わる皆さんの並々ならぬ努力のもとにおいしい白川茶ができているのだなぁと身をもって感じました。

農業ボランティアのみなさんと蟠龍寺の草取り

 お茶栽培をこの地に伝えた蟠龍寺(ばんりゅうじ)の歴代住職の墓前にお茶をささげて慰霊する「献茶祭」は、毎年恒例の行事だそうです。

 この献茶祭に向け、会場となる蟠龍寺跡周辺の環境を整備するために、県のボランティア制度「ぎふの田舎応援隊」に登録した皆さんがお手伝いに来てくださいました。

 炎天下での草取りはなかなか大変でしたが、参加者の方からいろいろなお話をうかがうことができました。

「暑い中作業して、日陰で涼んでいると、『生きているってこういうことだなぁ』と実感できる」「土いじりは好きだけど、仕事にするほどでもないし、自分の畑もないので参加を楽しみにしている」「茶摘みも楽しそう」「夜の星空も見てみたい」などなど。

 村では日常的な体験も、町の人にしてみればとても新鮮で貴重な体験になるということを改めて感じました。

写真:草取りの休憩中

しみじみと歴史を感じる献茶祭

 献茶祭本番では、祝詞(のりと)の中に村にお茶が伝えられた経緯などが盛り込まれており、今まさに自分たちがその場所に立っていて、そのお茶が現代まで継承されていると思うと、感慨深いものがありました。

 直会(なおらい)では、大沢の地元の方から昔の畑の様子(戦後すぐの時期はお茶は畑の縁や石垣に植わっていて、平らな畑には主に野菜や桑が植えられていた)や、茶畑の際からギフチョウの卵を救出して育て野に放した話などをうかがいました。

 そして、在来種のお茶をいただきましたが、これは私にとっては大変好みの味と香りでした。適度に苦みがあり、なんといっても香りが繊細ですばらしかったです。さわやかな新茶の香り、かすかな烏龍茶のような香りに、はちみつのような甘い残り香。

 在来種は「やぶきた」のように固定された品種ではないので個体差も大きく、摘む時期や加工の具合によっても味が変わるそうですが、今年は当たり年だったかもしれません。

 私もだんだんと日本茶の魅力にはまってきたようです。

※クリックで写真を拡大いたします。

気になる木・不思議な木

 村の自然などを紹介するケーブルテレビの番組「あっちべたこっちべた」の下見や収録に参加しました。番組で取り扱った村の自然のことだけでなく、移動中も昔の話などを聞くことができ、とても興味深かったです。

 「子どもの頃、木馬(きんま)道(木材搬出のための木製のそりを通す木のレールのようなもの)を歩いて遊んだ」とか、「昔は土葬なので朽ちて地面がへこんでから墓標を立てていたので、早く朽ちるようにモミの材で棺桶を作った」とか、「葬列が出るときはムシロをヌルデ(ウルシ科の植物、おそらく幹がまっすぐなため使われたと思われる)で作った棒でたたいた」とか、「嫁入りのときは『はばき』といって皆で豆腐をつついた」「昔は自家製のお茶を煮出していたので、年配の人はお茶をいれることを『お茶を煮る』ということがある」などなど。

写真:下見のときにみつけたコアジサイ

研修

 子どもの野外活動の際の安全確保のため、高山で赤十字幼児安全法の研修を受けてきました。放課後こども教室などでの安全確保に生かしたいと思います。

 また、岐阜県庁で開催された、地域おこし協力隊研修にも参加しました。県内各地の市町村で様々な活動をする協力隊員と知り合うことができ、とてもよい刺激になりました。

緑化少年団

 中学校の緑化少年団では、間伐・薪づくりと、村内事業所見学がありました。

 中学生はみんな伐り出したヒノキの丸太から皮を剥くのに夢中でした。この時期は木に水が上っているため、面白いようにつるりと木の皮がむけるのです。

 森に入るなり「私、こういう場所好き」としみじみ言う子や、講師の森林組合の方がみんなで倒したヒノキから切り出してくれた円盤を「これはすごい宝物になる」と大切に持ち帰る子、あえて林道ではなく急斜面を歩いて移動する子などもいて印象的でした。教室では学べない貴重な体験になったのではないかと思います。

 事業所見学では、森づくりから伐採、製材、利用までの一連の流れを学びました。普段なにげなく目にする身近な山の木が、各地で建築や製品に使われていたり、地球規模の環境問題の緩和につながっているということを感じてもらえたらいいなぁと思いました。

みんなのおやまの草刈りと植物調べ

 5月はなにかと忙しく中途半端となっていた、はなのき会館隣の村有林「みんなのおやま」の歩道や広場の草刈りをしました。

 「歩道の草を刈ったら、森で遊ぶイベントができるかも…?」と思っていましたが、この時期は蚊が多すぎてなかなか難しそうだということを思い知りました。

 そこで、ベストシーズンの秋に向けて、「みんなのおやま」でどのような植物がみられるかを調査することにしました。ヒノキ林が多い東白川村では、様々な木が生えていて気軽に入れる森は貴重です。

 森の歩道を散策していて気になる木があったとき、参照できるような図鑑なりガイドなりがあったとしたら、よりこの森に親しみが持てるかもしれません。どのような形でまとめるかは検討中ですが、誰もが気軽に見られるような形で公開できたらと思っています。

その他

 以上の他にも、村の藁仕事の名人にお話を聞いたり、休日は戦争と平和をテーマにした朗読会のお手伝いをしたり、村の自然と歴史・文化について学ぶことの多い6月でした。

 ササユリやホタルなど、この季節ならではの村の素敵な自然にも心癒されました。

※クリックで写真を拡大いたします。

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