8月1日、同じく地域おこし協力隊として活動されている野田恭子さんが開催された「葛(クズ)の繊維を取り、割いて結び、糸にする」ワークショップに参加いたしました。
今回の体験は、単なる手仕事の学習にとどまらず、この土地に根付いた自然の恵みや暮らしの知恵を改めて見つめ直す貴重な機会となりました。
葛は、里山のあちらこちらで見かける身近な植物でありながら、繁茂しすぎると厄介者として扱われることも多い存在です。しかし、その繊維を丁寧に取り出し、結んで糸にしていく過程を実際に体験してみると、自然が持つ力強さやしなやかさを肌で感じることができました。単なる草の一部と思っていたものが、時間と手間をかけることで、美しい素材へと変わっていく姿には深い感銘を受けました。
また、繊維を割き、結ぶという一見単純な作業の中にも、集中力や根気が求められます。糸が少しずつ長くなっていく過程は、自分自身と向き合う時間でもありました。自然素材に寄り添い、手を動かし続けることで、日常の慌ただしさの中では得られない静かな充足感を味わうことができました。
さらに、野田さんから葛の利用方法や歴史についての説明をいただき、この地域における植物との共生の知恵を学ぶことができました。古くから人々は、自然の恵みを余すことなく活用し、暮らしに取り入れてきたことを知り、現代においても持続可能な暮らしを考える上で大きな示唆を得ました。
今回のワークショップを通じて、身近な自然資源の価値を再発見すると同時に、地域の文化や知恵を次世代へとつないでいく意義を強く感じました。協力隊として活動する中で、このような体験を共有し、多くの方に自然と向き合う機会を提供できれば、地域への理解や愛着が深まり、持続的な地域づくりにもつながると考えております。
このたびの貴重な学びの場を設けてくださった野田さん、そして共に体験をした参加者の皆さまに心より感謝申し上げます。今後も地域の自然や文化に触れる活動を大切にし、自らの取り組みに活かしていきたいと思います。
8月8日、瀬戸にある金工作家の方が主宰するギャラリーにて、石畳を敷くワークショップに参加いたしました。ギャラリーの敷地に実際に石を運び、形や大きさを見極めながら並べていく作業は、想像以上に体力を使いながらも、参加者同士で協力し合うことで少しずつ形が整っていきました。石の配置ひとつで印象が変わり、空間が整えられていく様子はとても興味深く、手を動かすことで空間づくりの奥深さを実感しました。また、作家の方からは石の選び方や道具の使い方など具体的な技術も学ぶことができ、今後の地域活動にも活かせる貴重な経験となりました。完成後の石畳は、空間に落ち着きと趣を与え、参加前と後で場の雰囲気が大きく変わったことに感動しました。今回の体験を通じて、ものづくりの現場に参加し、自らの手で空間を整える喜びと学びを得られたことを嬉しく思います。