東白川村のお茶がおいしいワケ

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東白川村のお茶がおいしいワケ

東白川村のお茶がおいしいワケ

2021/04/15

写真:蟠龍寺跡の石垣沿いで育つ茶株。

東白川村のお茶の由来

写真:大沢地区蟠龍寺跡付近の看板

白川茶の起源は約600年前(450余年前との説もあります)、旧大沢村蟠龍寺(おおさわむらばんりゅうじ)の住職が、山城国宇治から茶の実を持ち帰り、里人に茶の栽培を勧めたのが始まりと言われています。
山あいに拓かれた急峻な茶園で、谷川から湧き立つ朝霧と澄みきった大気、昼と夜との温度差が大きく、ゆっくりと、やわらかく育った美濃白川茶。
この気象条件が、深みのある味とさわやかな色、懐かしさただよう独特の風味を育んでくれます。
村の白川茶は過去10回の農林大臣賞、そして天皇杯、日本農業賞に輝く高級緑茶です。

お茶ってどうやってつくるの? 〜お茶栽培の話〜

写真:一面の雪景色。茶畑も雪をかぶって真っ白になりました。

東白川の冬は寒く、気温はマイナス10度近くまで下がることがあります。茶葉の新芽は、春にすくすくと成長すべく、雪の下で着々と準備を始めています。

写真:人一人が通ることができる茶株の間をぬって肥料を撒いていきます。

早春。梅の花が咲き始める頃、茶畑に人の姿が。
冬を越した新芽に活力を与える肥料を散布します。
それ以後、新茶の収穫まで肥料散布は3回から4回行われます。

写真:刈り揃え作業

3月の彼岸(20日)を中心に、新茶の目が一斉に出揃うよう、茶株の刈り揃え作業を行います。

写真:陽の光を浴びて輝く新芽

いよいよ待ちに待った新茶シーズン到来!!
この時期の茶葉の新芽は、沸き立つ朝霧の水分をいっぱい吸って、濃い黄緑色の光沢を茶畑全体に解き放ちます。

写真:茶葉の新芽を手摘みしているみなさん。

新茶の収穫は最初、手摘みで行います。
最初は量も少なく、それだけ高級で、高値で取引されるからです。

写真:茶刈機を使って刈り取りをしている2人。

茶葉の刈り取りは2人1組で行います。
茶刈機についている白い袋には、刈り取られた茶葉が入ります。

お茶は5月に「一番茶」、6月終わりから7月にかけて「二番茶」と年2回収穫します。

写真:茶株がきれいに刈りならされていきます。

7月の終わり。二番茶の刈り取りが終わると「刈りならし(均し)」という、伸びすぎた葉や余分な葉を落とす作業を行い、早くも来年に向けた作業が始まります。

写真:肥料の入った袋(重い!!)を背負って散布を行います。

７月から８月に散布する肥料は、一番茶・二番茶の収穫に対する"お礼肥(おれいごえ)"と、来年の芽を強く出させるための茶樹に力をつける肥料を施します。

9月から10月にかけても、来春、太く健康で強い芽が出るよう更なる肥料散布を行い、10月中旬には2度目の刈りならしを行い、来年に備えます。

村に秋の気配が訪れる頃、茶畑では緑一色の中に白くてまん丸な花が咲き始めます(写真:お茶の花)

東白川村の秋(写真「清流白川の川面に映る紅葉」

※クリックで写真を拡大いたします。

お茶ってどうやってつくるの? 〜葉っぱがお茶になるまで〜

写真:製茶工場。「お茶工場」「加工場」と呼ばれています。

写真:工場に持ち込まれた茶葉(生葉)

※クリックで写真を拡大いたします。

収穫された茶葉は、村内にある製茶工場に持ち込まれます。

写真:製茶工場内部。大きな機会がたくさん並んでいます。

工場内ではたくさんの機械が並んでいます。
「蒸す」「揉む」「乾燥」の工程のそれぞれの段階に合った作業を機械が行っています。機械が自動で行うといっても、オペレーターさんが付きっきりで様子を見守ります。

写真:加工途中の茶葉を時々取り出してチェック!!

オペレーターさんはいつも、加工途中の茶葉を取り出して葉の状態や香りなどを確認し、おいしいお茶ができるよう目配りを欠かしません。

写真:共販会に出品された荒茶(左下:商品写真<仕上げ茶缶入り>)

こうしてできた茶葉を「荒茶(あらちゃ)」といい、これを「荒茶」「粉茶」「くき茶(棒茶)」「頭(かしら)茶」に分別し、茶商さんたちの元へ届けられます。
茶商さん達は、これらのお茶を更に「火入れ」という加工を施し、やがて商品となる「仕上げ茶」ができあがります。

写真:茶師さんの話を聞く子ども達

村では毎年、小学3年生の授業で「お茶」について学んでいます。
この日は生葉が商品になるまでを勉強していました。

おいしいお茶を召しあがれ

写真:縁側で白川茶を愉しむおばあさんと子ども

急峻な山肌にある東白川村の茶畑。
重たい肥料を背負って茶畑まで登り、お茶刈りは最低でも二人がかり。
加工の熱で蒸し暑い茶工場。
お茶づくりは重労働なのに、なぜ続けるのか?
それはひとえに「おいしいお茶をみんなに飲んでほしいから」

手間隙を惜しまず丁寧に作られた白川茶をぜひご賞味ください。