葛から繊維をとってみよう!
村外の人に村を訪れてもらうきっかけとして、自然体験プログラムを提供できないかと考えています。
そんなことを考えていた折、蟠龍寺(ばんりゅうじ)周辺の茶畑の整備で出会った農業ボランティアのメンバーから「葛(クズ)から繊維をとる方法を教えてくれませんか? 」というご相談がありました。
6月のボランティア作業のとき、私が葛から糸をとって織物をしているという話に興味を持ってくれたようです。
これはちょうどよい機会だということで、8月1日に、自然体験プログラムづくりの一環として「葛から繊維をとってみよう!」というモニターイベントを実施しました。
依頼してくださった方とのつながりや口コミで、遠くは揖斐郡、下呂市や美濃市などから、5人の方が参加してくださいました。
葛といえば厄介者の雑草というイメージがありますが、古くは繊維をとる植物としても利用されており、袴(はかま)などの衣服や、近代になってからも壁紙用の布などに使われていました。
葛の蔓(つる)を採取し、茹でてやわらかくしてから、刈草の室(むろ)に入れて発酵させ、硬い外皮を分解させます。
こうして発酵させた蔓を川の流れで洗い流すと、蔓の内側にある、白くて光沢のある美しい繊維を取り出すことができるのです。
暑い中の作業でしたが、参加者の方のアンケート結果からは、木陰の涼しさや川の流れを感じ、また身近な植物の意外な利用法を体感して、東白川村での特別な1日を楽しんでいただけたようでした。
片道2時間近くかかるところからでも、「魅力的なプログラムがあるなら来てもよい」とのご意見も複数いただいて、勇気づけられました。
今回は日程の都合上、本来は数日間かかる工程を1日にまとめたため少し時間が足りなかったので、宿泊を伴うイベント、又は複数回シリーズのイベントとして行うほうがよいかもしれないと思いました。
今回得られた情報や経験を生かしていきたいと思います。
学童保育で、自然を感じられるイベント
小学校の夏休み期間中、はなのき別館で行われている学童保育で、お楽しみイベントを2回やらせてもらいました。
連日熱中症アラートが出るような状態のため、基本的には屋内での活動がメインですが、少しでも自然を感じられるイベントを、と思い、自然素材を使った創作活動を行うこととしました。
8月7日には「小枝と草木染毛糸を使ったオーナメント作り」、8月22日には村内の川沿いでよく見る野生のクルミ(オニグルミ)を使った「草木染」を行いました。
小学校低学年から高学年までの幅広い年代を対象としているので不安もありましたが、支援員さんらのご協力などもあり、思い思いの作品づくりを楽しんでもらえたようで一安心です。
夏休みの楽しい思い出の一コマ、普段とは一味違う新鮮な体験になっていたらよいなぁと思います。
美しい村づくり委員会
美しい村づくり委員会の「学び合い会」では自然に関するテーマが多く、講師との打ち合わせに参加しました。
岐阜大学では山や里山と水や水が運ぶ養分の関係、美濃加茂市の三和地区ではホタル保全を軸とした地域づくりについて興味深いお話をうかがいました。
実際のイベントは秋以降で、実りある学びの場、村内外の人との交流の場になったらよいなと思います。
聞き書きで、世代間の心の交流
8月8日には美濃加茂市の文化の森にて、高校生が地域の人に話を聞いてまとめる「聞き書き」の発表会が行われ、運営のお手伝いをしました。
東白川村からも語り手の方が登壇され、旅館での人とのふれあいや、地域の素材を生かした料理への思い、戦争と平和をテーマにした朗読活動などについてお話されました。
聞き書き作品は、さとやまシューレホームページで読むことができます。
東白川の〝すべて〟と共に生きる〜地元の「おいしい」をお客様に〜(さとやまシューレウェブサイト内/外部リンク)
卒業後は都会で就職しようと思っていた学生さんが、聞き書きの活動に関わったことをきっかけに地域の魅力に気づき、地元に残ることになったという事例があったり、語り手の方にとっても若い人との出会いに刺激をもらえるというお話もあり、聞き書きは地域への思いを高め地域を元気にするのに一役買っているのだというのを実感するイベントでした。
8月は、自分が企画したイベントを行うことの多い月となりました。
最初の一歩を踏み出すのは勇気のいることでしたが、いろいろな方のご協力により、貴重な経験を積むことができました。
これらの経験を生かして、また次の一歩を進んでいければと思います。