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河原 知子さんの部屋 | 2022年10月活動報告

朝晩急に冷え込んできました。寒暖差が激しく、体調管理が難しい時期ですが山の木々が色づいてきて、秋が深まっていくのを感じます。土鍋で料理をしたり、東白川村の紅茶を飲んだり、秋は楽しい季節です。

▼CATV ・村民ウォーキング大会 ・中学生2年生職場体験 ・1/2967の物語「産業近代化展を観て」

○村民ウォーキング大会

10月2日に行われた村民ウォーキング大会の取材に行きました。
この日は雲ひとつ無いウォーキングびよりで、参加者の方々のお顔も晴れ晴れとしていました。
ウォーキングにみえた方々は日頃から歩いていらっしゃる健康な方が多く、普段歩いているコースや歩くことの楽しさ、他にどんなことに気を使って健康を維持しているかなどたくさん話してくださいましたが、カメラを向けると皆さん恥ずかしがってしまいました。
コメントをくださる方が気負わず気持ちよく話せるよう、日頃からもっと色々な方とコミュニケーションをとっていこうと思います。

○中学生2年生職場体験

10月3日と4日、中学2年生5名の職場体験を取材しました。
体験場所は村内の事業所で、みんな普段はお客さんとして利用している場所に従業員として働きに行くことで、いつもの場所を今までと違った視点から見ることができたようです。インタビューでは、仕事で何が大変だったか、何が楽しかったか話してくれました。
接客業で緊張したり、うまくいかなかったことを自分なりに考え工夫してまた挑戦してみたりする中学生の様子を見て、私も良い刺激をもらうことが出来ました。

○1/2967の物語「産業近代化展を観て」

今回の1/2967の物語は「産業近代化展を観て」です。これはこの村で撚糸(ねんし)工場をしていた作者が、勉強のために工業機械の展覧会に行ったお話です。少し専門的でとっつきにくいかもしれませんが、高度経済成長期の社会の様子が追体験でき、非常に興味深いです。50年以上前の1971年に書かれた話なのですが、この話にででてくる「最新式」の織機を、私が5年ほど前まで働いていた一宮の工場でまだ現役で使っていました。そしてこの話の中で「従来の織機」といわれている織機は、今では高級な生地を織る時のみ使われる稀少な織機となっています。

この時期の経済、技術の急成長について、教科書などにはただ「高度経済成長」「技術革新」とだけ載っています。しかし、実際にその時代を体験した人の話を読むと、そこで何が起きていたのか肌で感じることが出来ました。

「何が、いつ、どこで、なぜ、誰によって、どうやって」現代にもたらされたのか。
それを知ることで、これからの時代どう生きていくかを考える材料の一つになればよいなと思います。

▼地域おこし協力隊・岐阜県地域おこし協力隊等研修 初任者研修

○岐阜県地域おこし協力隊等研修 初任者研修

10月26日、郡上で岐阜県地域おこし協力隊等研修の初任者研修があり、三重県尾鷲市の地域おこし協力隊OB豊田宙也(とよだ ちゅうや)さんと東白川村地域おこし協力隊OB野村啓さんが自身の経歴や活動について講話されました。

豊田さんのお話で印象的だったのは、協力隊の「漁村に食堂を作る」というミッションをする中での、地域の人々との関わりでした。
「村社会」の中で、豊田さんが最初拒絶されたり、少しずつ関わりが出来たり、人のもめ事に首を突っ込んだり、けんかと仲直りに巻き込まれたり、ご自身が地域の方とけんかしたり。実に泥臭く生々しい体験談でした。

東白川村地域おこし協力隊OB野村さんのお話からも、暮らしていく中で地域のおばあちゃん達と友達になったり、地域おこし協力隊の時から続けているお茶の仕事でお世話になった人に叱咤(しった)激励されたり、少しづつ地域になじんでいく様子が感じられました。

地域を活性化させるという事は、「課題」を明確にし、それを「解決」して終了すると言うようなものではなく、そこの一員になって違う視点から一緒に何かをしていくことなのかもしれません。

▼織・林陽寺∞の市出店 ・野原展見学 ・石徹白洋品店見学 ・美浜作品展へ作品出品

○林陽寺∞の市出店

写真:「∞(はち)の市」チラシ

​10月8日、林陽寺(りんようじ)の御本尊薬師如来及び前立観世音菩薩の御開帳にあわせた∞(8)の市が開かれ、私は服や靴下を繕う「繕ひ屋」をしました。
この御開帳は、お寺が出来てから1200年間一度も一般公開されたことの無い二体の仏像を修復した記念に行われ、おそらくもうあと1000年は見ることができないでしょう。
市のテーマは“薬”です。私の「繕ひ屋」は一見薬と関係が無いようですが、この市のテーマの“薬”は飲む薬のことではありません。衣食住にまつわる事柄で体と地球を癒す、現代における“薬”を捉え直す市でした。

薬と言うと、病気や怪我をした時に症状を和らげるために服用するイメージですが、心や体の健康を保つという事は薬を飲むことよりも、日頃何を身につけ、何を食べ、どうやって暮らしているかのほうが影響すると私は思います。「日にち薬」という言葉がありますが、ただじっと養生していれば病気や怪我は自然と治っていくけれど、そのただ毎日をじっと過ごすためには何か着て、食べて、休める場所が必要です。∞の市はそういうただじっと治るのを待つために必要な事を整える市だと私は感じました。

ありがたい事に、今回たくさんの方が靴下やカーディガンの修復を依頼してくださり、忙しくも楽しい一日を過ごしました。その中で、衣食住だけでなく人と人とのつながりも薬になる事を学びました。今回学んだことを生かして、またマルシェや市に出たいと思います。
 

○野原展

10月16日、野原というブランドの展示会に行ってきました。展示会場は犬山のオーガニックレストラン星月夜(ほしづきよ)です。

「野原」のお二人は京都の限界集落へ移住し、自給自足に近い暮らしをしながら服を作って暮らしておられます。展示会場では集落での生活が映像で流れ、野原さんが作った稲も服と一緒に展示されていました。「野原」のご夫婦は、元は東京を拠点に活動されていたのですが、自然に近いところで制作したいという想いから移住されたそうです。

「野原」の作品を見ると、住んでいる環境や風土がいかにその人自身と作品に影響を与えているか感じられました。

○石徹白洋品店

写真:石徹白の森

10月23日、岐阜県郡上市白鳥町の石徹白(いとしろ)洋品店さんへ見学に行きました。 同じ岐阜県内と言っても、東濃エリアの東白川村から北西の端の石徹白まで100km以上、山道を越えていくのはなかなか大変な道のりでした。
石徹白洋品店さんのある石徹白は現在人口250人ほどの限界集落ですが、白山(はくさん)信仰ゆかりの里で、さまざまな伝承や独特の文化が残されています。

石徹白洋品店さんは、この集落の人々が昔着ていたタツケと呼ばれる細身のズボンや袴、シャツを現代によみがえらせるといった衣に関する活動だけでなく、民話の採集やそれを絵本にする活動などさまざまな方向からこの集落と関わって生活しておられました。

石徹白の冬は長く、雪深い集落は冬の間、閉ざされてしまいます。

春から藍染の講習会をなさっているとの事でしたので、春になったらまた石徹白へ訪れたいと思います。
 

○美浜美術展へ作品出品

写真:出品した作品

自分の染織作品を美浜の美術展へ応募してみました。普段、使うことや展示会、ワークショップを念頭において制作しているので、展覧会応募の制作はとても新鮮で楽しかったです。
といっても、いつもと大きく違うことをするわけではなく、自分で紡いで、山でとって来た植物で染めたいつもの糸で制作しました。美浜は私の父の故郷で、私も小さな頃からよく遊びに行っていたため、そこの野山や海や湖を思い浮かべながらすっと自然に作ることが出来ました。
 

​10月は、集落へ移住することや衣食住のことについて学ぶイベントへ多く足を運ぶことが出来ました。
その土地に根付く、訪れる、暮らす、働く、遊ぶ、理由も関わり方もさまざまですが、生き物は暮らしている環境に少なからず影響を受けています。その土地の産業なのか自然なのか歴史なのか社会なのか人なのか。私達は色々な理由で移動をします。

自分の「移動」が、どんな種類の何を目的にしたものなのか、見つめなおす10月になりました。

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