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河原 知子さんの部屋 | 2023年8月活動報告書

8月 処暑 天地始粛(てんちはじめてさむし)

 昼間はまだまだ夏の様相ですが、移ろう葉の色や長く濃くなる影、朝夕の涼しさに秋の気配を感じます。

 夏と秋の間のこの時期を、二十四節気で処暑、七十二候で天地始粛(てんちはじめてさむし)というそうです。

美しい村だより
 今回は7月29日に行われた「暦(こよみ)くらす」鮎の友釣り大会の報告と、美しいむらづくり委員会で話し合われた内容をまとめたものを自治会長配布にてご覧いただけます。いつも楽しみに読んでくださっている方のご意見を取り入れて、今回からいつもの「近況報告」をより読みやすい「日日綺譚(にちにちきたん)」というコーナーにしてみました。

 日日(にちにち)とは、毎日、ひび。綺(き)とは、綺う(いとう)。綺うは関わり合うという意味です。譚(たん)はかたる、ものがたりという意味があります。「日々関わり合って生きていく、私たちみんなの語る物語」という意味で参加者の皆さんのお話を編んでみました。読んでいただけたら嬉しいです。
 
歌舞伎

 昨年に引き続き今年も歌舞伎に出演させていただきます。今年は滝夜叉姫の良姫という役です。去年よりセリフ、踊り共に多く、覚えるのが大変ですが、自分ではない誰かになりきるのはとても楽しい経験です。他者を演じると、不思議なことに自分が客観的に見えてきます。自分ではない立ち振る舞いをしようとすると、普段の歩き方や話し方、指の先の所作や考え方など、何気ないことに意識が向くようになりました。本番まで一生懸命練習し、9月17日の歌舞伎公演では良い姿をお見せできればと思います。

夏祭り

 村内の各地区で行われた夏祭りに、今年初めて参加しました。越原では獅子舞を見て、食べたり飲んだり餅を拾ったり、五加では歌や演技や踊りを楽しんだり。水辺公園でのお祭りではステージ係をしていてパタパタくるくる動き回って大変でしたが、最後の花火で疲れが飛んでいくほど感動しました。おかげさまで、よい夏でした。

わらじづくり

 歌舞伎で使用するため、村のわらじづくり名人のところにわらじを習いに行きました。

 村内の米所からワラをもらい、葉っぱを取って一晩水に浸け、翌朝ツチでたたく。前準備だけでも結構手間がかかります。それを名人のところへ持っていき、わらじづくりがはじまりました。名人のようには手が動かず、片方作るだけで一時間かかってしまいました。しかし丈夫でしっかりとしたわらじが完成すると、月並みな言葉で恐縮ですが、昔の人の知恵は本当にすごいなあとつくづく感動しました。

 種から芽が出て、植物が育ち、実り、刈り取られ、干され、その実を取ったワラを束ねて保管し、葉などを梳(す)いて取り除き、しっかり浸水させよく叩き込んで繊維を柔らかくし、しっかりと固く綯(な)い、編まれてわらじになる。昔は日常的に履かれていたわらじ一つとっても、気の遠くなるような時間と手間をかけて作られていたことを考えると、豊かさの意味が広がって見えてきました。

 この村に来て一年と半年が過ぎ、村の環境に少しずつ馴染めてきたかなと思います。日々の事柄を丁寧に味わいながら精進してまいります。

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