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野田 恭子さんの部屋 | 2025年10月 活動報告書

お茶の産地ならではの味わい

手仕事や暮らしの知恵を体験しながら、村の暦の行事を通じて人と人がつながるきっかけづくりを目指す「暦(こよみ)くらす」。

今月は、「秋の山野草の寄せ植え」のお手伝い、また、11月に予定されている「秋のお茶(づけ)会」の準備のために、お茶摘みやお茶の手もみを行いました。

昔はよく、秋に自家用に硬めのお茶を摘んで手もみして、やかんで煮出したものをごはんにかけお茶づけにしたそうです。揉んだお茶を煮出して試飲してみたところ、香り高い新茶にくらべると深い味わいが目立ち、いかにもお茶づけに合いそうだと思いました。お茶の産地ならではの楽しみ方だなと思いました。

※クリックで写真を拡大いたします。

お茶農家の情熱に学ぶ

私もこの3月まで学んでいた岐阜県立森林文化アカデミー(美濃市)から、社会人経験者向けコース森林環境教育専攻の「地域調査法」という授業で、東白川村の茶農家さんのお話を聞きたいとご相談がありました。

先方からは「1時間〜1時間半くらいお話が聞ければ…」とのリクエストでしたが、講師のお茶農家さんからは「1時間ではなにも語れない」ということで、お昼を一緒に食べながら語り合うところから茶畑の見学まで、たっぷり午後いっぱいを使った濃厚な学びの時間となりました。

学生・教員のみなさんも、お茶農家さんの地域を思う情熱に動かされたり、地域の自然と切り離された現代生活への疑問を新たにしたりと、様々な学びがあったようです。このような学びや交流の機会のお手伝いができて、私としても嬉しかったです。ご協力くださった皆様、どうもありがとうございました。

村の林業の課題を肌で感じる

10月は、森林に関わることが多かったです。

林業従事者の意見交換会では、「現場で作業する身としては将来につながる健康的な森にしていきたいけれど、経済的な採算を考えると、理想的な手入れができない」とか、「村では土壌流亡などの少ない択伐がメインだが、国の補助金の重点が択伐から皆伐・再造林にシフトしているので、どうしたらよいか」といった具体的な議論があり、村の林業の具体的な課題を肌で感じました。

森林が水に及ぼす影響とは?

これまでの美しい村づくり委員会で「山の機能について学びたい」という意見が出されたことから、10月の「みんなの学び合い会vol.1」では、岐阜大学の水文学(すいもんがく:水の循環、水質、水と環境との相互関係などを研究する学問分野)の教授で「地球を旅する水のはなし」「地球がうみだす土のはなし」などの絵本も出されている大西健夫(おおにし たけお)先生をお招きしました。

かなり専門的な内容でしたが、グループで感想を話し合う時間も設け、よい交流の場となったと思います。

写真:みんなの学び合い会vol.1

FSC(R)の森が水に及ぼす効果の調査がスタート!

そんな折、村と「日本のFSC(R)認証林推進協定」を結んでいるWWF(世界自然保護基金)ジャパンが、「認証を受けきちんと管理された森林が、環境にどのようなよい影響を及ぼすのか? 」ということを、水の観点から調査ができないか検討しており、今回のご縁でつながった大西教授と調査をしようという話になりました。

「みんなの学び合い会vol.2」の前日には、大西先生と学生さんたちが、調査地選定のために村内の森林と谷を見て回る予備調査を行いました。予備調査ですが、あちこちの谷で、先生と学生さんが連携してテキパキと測定・採水を行いました。

広葉樹林や間伐遅れの森林に関する水文学的なデータは多いですが、適正に管理された人工林のデータはこれまであまり取られてこなかったそうです。この調査で東白川村の森林管理が環境によい影響を与えていることがわかれば、認証材の経済的な価値が高まり、山の手入れを後押しすることにつながるかもしれません。

このほか、11月には、FSC(R)のアジア太平洋地域の事務局メンバーが東白川村に見学に来られることになっており、その準備などもお手伝いしました。

写真提供:伊藤山田さん(岐阜大学)

小学校・保育園での自然遊びなど

放課後こども教室では、草花を使った「和紙のたたき染め」をさせてもらいました。次の週に「今日もたたき染めをしたい」という子もいたそうで、身近な草花に触れあい、創作活動を楽しんでもらえたようでよかったです。

また、秋は保育園がお散歩を行っているということで、2回ほど同行させてもらいました。どんぐりやアカメガシワの実を拾ったり、楽しい冒険でした。「みんなのおやま」も危険木の処理や草刈りをしたので、ぜひお散歩コースに使ってもらえればと思いましたが、今年はクマの出没情報も多いので、森のお散歩は少しハードルが高くなってしまったかもしれません。

他に小学校関連では、村の産業について学ぶため、小学3年生のお茶の仕上げ工場と味の館(トマトジュースなどの製造所)の見学にも同行させてもらいました。小学生がお茶の葉をかじっているのをみて自分もかじってみたら、産地や製法による違いなどがダイレクトに感じられて、ハッとさせられました。

高齢者が元気に暮らせる村

村にとって、高齢者が健康に暮らすことは大きなテーマです。この分野について学ぶため、また様々な人と交流するためにシルバーリハビリ体操指導士養成講座に参加させてもらうことにしました。

第一回目の講座では、医療費の問題、高齢者の社会参加や日常的な運動の重要性についての講義があり、大変勉強になりました。個人的な関心事項である自然体験も、健康との関係でなにか生かせるかもしれません。

東白川村の草木の色

10月の連休に岐阜駅周辺で開催された「ぎふクラフトフェア」では、木工家さんのスツールづくりのワークショップに、村の植物(オニグルミ、アカソ、クズ、ススキ)で染めた草木染の座面布を提供しました。

草木染に関する質問や体験希望も多く、木工と草木染を組み合わせた村での宿泊型プログラムができないかと思っています。

その他、岐阜県庁で行われた農業フェスティバルで販売のお手伝いをしたり、来月「聞き書き」のために村を訪れる高校生のための研修会に参加したり、自然環境保全に関する他市町村の条例について調べたりと、外での活動も事務作業も盛りだくさんな10月となりました。

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