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野田 恭子さんの部屋 | 2025年11月 活動報告書

お茶づけ会

 手仕事や暮らしの知恵を体験しながら人と人がつながるきっかけづくりを目指す「暦(こよみ)くらす」。今回は、昔ながらのお茶づけづくりを体験しました。昔は秋に刈ったお茶の葉で自家用のお茶を作り、ごはんにかけてお茶づけにしていたそうです。
 
 先月準備しておいた荒茶を、参加者のみなさんが鉄なべで火入れして仕上げ、やかんで煮出してごはんにかけました。香りよりもうま味の目立つお茶で、お茶づけによく合い、和やかな時間となりました。

写真:火入れの説明

鳥にもやさしい森づくり

 お茶づけ会と同じ日の午後には、WWF(世界自然保護基金)ジャパンとNPO法人(特定非営利活動法人)バードリサーチによる鳥類調査報告会がありました。
 
 環境にやさしい森林管理をしている森林に付与される国際的な森林認証、FSC(R)認証を受けている森林は、日本全体では1割以下にとどまるのですが、なんと、東白川村では約7割もの森林がこの認証を受けています。
 
 こうした取組を後押ししていくため、「環境にやさしい森林管理をしているFSC(R)認証林では、鳥類の生息状況はどのようになっているのか? 」ということを調べる調査が行われました。
 
 東白川村のFSC(R)認証林では、同様の調査を行った富士山麓の人工林よりも、鳥の種数も個体数も多いという結果が得られました。
 
 このような具体的なデータも使って、FSC(R)認証のことを多くの人に知ってもらい、環境にやさしい林業や認証材の利用が進むとよいなと思います。

写真:報告会の様子

世界各地で森を守る同志と出会う

 上記のとおり、全国的にもFSC(R)認証林の割合が多い東白川村。その現場を視察するため、アジア太平洋地域の各国のFSC事務局、FSCアジア太平洋事務局(中国)、FSCインターナショナル事務局(ドイツ)、日本の関係者も含め総勢50名ほどが来訪されました。
 
 森林組合、製材協同組合、ヒノキ林などを見学し、また、昼休みには白川茶を実際にいれてみる体験を楽しんでもらいました。
 
 東南アジアの森林では「森林を伐採しないようにする、なるべく手を加えないようにして守る」というイメージが強い国もあるなか、「森林を熱心に手入れして守る」という姿に衝撃を受けたという感想もあり、有意義な視察となったようです。
 
 私はお茶体験の通訳と全体の事前調整のお手伝いをしました。1日にすべてを詰め込んだ大人数の視察ということもあり、事前調整はなかなか大変でしたが、村の関係者と海外の方が出会う機会を作るお手伝いができ、とても貴重な体験となりました。

※クリックで写真を拡大いたします。

村のベテラン大工さんと関市の高校生の交流

 過疎化が進み、かつてあたりまえに営まれてきた里山での暮らしの知恵や技術が失われつつある中で、加茂地域の高校生が地域の人々の記憶を通じて自然とともに生きる知恵や生活の哲学を学ぶ「聞き書き」の活動。

 今年度は、長年大工として活躍されている田口節春さんのお話を聞くため、関市の高校生が村にやってきました。
 
 私は送迎と写真撮影などのサポートで入りましたが、聞き手の高校生と一緒にいろいろなお話を聞くことができました。大工のお仕事のお話だけでなく、昔の村の風景や暮らしの話もとても興味深かったです。

 現在はヒノキが植林され緑の山が広がっていますが、昔は秋に写生会をすると一面黄色でところどころに赤や緑がある風景だったとか、農地整備がされる前は農地も細かく分かれていて道も細く、どこへでも歩いて行ったとか。牛やヤギ、ウサギなどを飼っていて、エサにしたり小屋に敷くために草は10cmも伸びればすぐ刈っていたお話などなど。

 聞き手の高校生も、東白川村のような中山間地域に来るのは初めてということでしたが、「山水も出るし、山の木は燃料になるし、もしかしたら町より山のほうが豊かなのかもしれない」と価値観が変わったようで、「将来住むなら都会より田舎のほうがいいかも」との感想を教えてくれました。

子どもが野外でのびのび遊べる場所

 秋フェスタでは、はなのき会館に隣接する村有林で、子どもが遊べる「おやまのあそびば」を担当しました。

 本当は森の中でも遊ぶ想定で、この日のために危険木の伐採や草刈など準備をしてきたのですが、前日に神土でクマの目撃情報があったことから、念のため森の手前の広場を会場として開催しました。

 限られた会場ではありましたが、木の枝や草で秘密基地を作ったり、木登りしたり、焚火で焼き芋を焼いたり、小枝を使って工作をしたりと、思い思いに楽しんでもらえたようでよかったです。自然素材を使った工作では、子どもよりも夢中になってしまう親御さんもいたり、集まってくれたみなさんで素敵な場ができたなぁと思います。

 なかなか外遊びも自由にしにくくなっている昨今。来年度は、このような場を複数回開催できればいいなぁと思っています。

自分の手で空き家を直す

 美しい村づくり委員会で「古民家のDIYについて学びたい」という意見が出ていました。ちょうどそんな折、「岐阜県の事業である空き家DIYワークショップを村でやらないか」という話があったそうで、村内の古民家で2日間にわたりワークショップが開催される運びとなりました。

 内容はスギの無垢材の床板を張るというもので、知っておくべき法令や床板の配置の仕方・寸法の測り方・丸ノコの使い方・ビスや隠し釘の使い方など、美濃加茂市にある岐阜県立国際たくみアカデミーの先生方が丁寧に教えてくださいました。

 参加定員の2倍もの申し込みがあるなどかなりの人気で、参加者へのアンケート結果でも大変満足度が高く、「床張り以外の工程についてもやってみたい」というコメントが多数みられました。

 村外からの参加者も多く、昼休みにはお弁当を食べながら交流しました。白川茶や村の木材に興味を持ってくださる方などもいて、こうしたイベントを通じて村のことを知ってもらい、移住などのきっかけになったらいいなと思いました。

 このほか、緑化少年団や放課後こども教室に参加したり、自然環境保全に関連した法令などの調べものをしたりもしました。

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