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菅原 唯斗さんの部屋 | 8月活動報告書

写真:揖斐川歴史民俗資料館

他地域の民俗資料館を視察して

地域に残る歴史や文化、暮らしに関する資料の展示・保存方法を学ぶとともに、地域資源をどのように捉え、地域内外へ伝えていくことができるのかを考えるため、揖斐川町にある揖斐川歴史民俗資料館を視察した。
館内では、地域の歴史や産業、暮らしに関する資料が展示されており、それぞれの資料が地域の中でどのような役割を担ってきたのかを知ることができた。また、資料そのものだけではなく、その背景にある地域の自然環境や生活文化、人々の知恵などと関連付けながら展示することで、来館者が地域の暮らしをより具体的に理解できるよう工夫されていた。
今回の視察では、特に「薬草の記憶」と題した展示が印象に残った。この展示では、揖斐川町の春日地域を取り上げ、伊吹山の麓に位置する同地域に自生する野草や薬草について紹介するとともに、それらが地域の人々の暮らしの中でどのように利用されてきたのかが分かる内容となっていた。
野草や薬草そのものの特徴を紹介するだけではなく、地域の人々が身近な植物を採取し、食や薬など、日々の生活の中でどのように活用してきたのか、その土地の自然環境と人々の暮らしがどのようにつながっていたのかを知ることができた。普段であれば見過ごしてしまうような身近な植物についても、その地域で暮らしてきた人々の経験や知恵と結び付けて捉えることで、地域固有の文化や歴史を伝える重要な資料になることを学んだ。
今回の展示を通して、民俗資料というものは、古い道具や生活用品などの「物」だけを保存するものではなく、その物が使われていた環境や、実際に使用していた人々の暮らし、地域に伝わる知恵や記憶なども含めて捉えることが重要であると感じた。
特に、現在では使われる機会が少なくなった道具や、地域の中では当たり前のものとして認識されているものについても、「どのように使われていたのか」「なぜその道具が必要だったのか」「当時の人々にとってどのような意味を持っていたのか」といった背景を紐解くことで、地域の歴史や文化を伝えるための貴重な資料になり得ることを改めて認識した。
この視点は、今後の東白川村における地域資源の調査にも生かしていきたい。東白川村にも、茶業をはじめとした地域産業や、山間地域ならではの生活道具、食文化、自然との関わりなど、長い年月の中で培われてきた地域固有の文化が多く残されている。
例えば、現在では使用される機会が少なくなった農具や茶道具、生活用品などについても、単に古い道具として捉えるのではなく、実際に使用していた方から話を伺いながら、その道具が使われていた場所や仕事、当時の生活の様子まで含めて調査することで、東白川村の暮らしを伝える資料として活用できる可能性がある。
また、今回の「薬草の記憶」の展示のように、地域に残る自然環境そのものを地域資源として捉えることも重要だと感じた。東白川村においても、山や川、茶畑、そこに生息する植物など、普段の生活では当たり前に感じているものの中に、地域の歴史や暮らしと深く結び付いているものがあると考えられる。
今後は、こうした地域に残る物や自然、生活文化について、地域住民の方への聞き取りなども行いながら、一つひとつの背景や記憶を記録していきたい。特に、現在の生活の中では失われつつある知識や技術については、実際に経験してきた方から話を伺うことで、物だけでは残すことのできない地域の記憶も記録できると考える。
今回の視察で得た知見を今後の活動に取り入れ、他地域で行われている民俗資料の保存・展示方法を参考にしながら、東白川村に残る地域資源を改めて見つめ直していきたい。地域に残されている物や自然、暮らしの中にある記憶を一つひとつ拾い上げ、それらを地域の歴史や文化として次の世代へ伝えていくための方法について、今後も調査・検討を進めていきたい。

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